2017年2月3日金曜日

『IoT』とは・・・

昨今よく聞く『IoT』について、こんな記事がありした。
IoTとは?IoTInternet of Things(モノのインターネット)とは、従来は主にパソコンやサーバー、プリンタ等のIT関連機器が接続されていたインターネットにそれ以外の様々な"モノ"を接続することを意味します。読み方はアイオーティーです。
ITベンダーもユーザー企業も「IoT」という言葉に魅了されています。
インターネットにつながるモノの数は急激な伸びを示し、先進事例として、コマツのスマート・コンストラクション、GEPredix、ロールスロイスのPower By The Hourなどが紹介されるようになりました。これは我が社も何か手を打たなければと焦りにも似た雰囲気があるようです。そして、いままでの人月積算型の収益構造に、もはや限界を感じ始めているSI事業者にとっては、「IoT」を突破口に新規事業を立ち上げて起死回生を図りたいという思惑も見えます。しかし、IoTビジネスとは何かが曖昧なままに、漠然とした期待感だけが、妄想のように膨らんでいるのではないかと思うことがあります。IoTのもたらすビジネス価値を否定するものではありません。しかし、インフラを構築する、システムを開発する、運用管理や保守作業を請け負うといった既存のビジネスの延長線上で、IoTビジネスを捉えてもうまくいかないことを覚悟したほうがいいでしょう。
IoTを次のように捉えてみると、この問題提起の本質が見えてくるかもしれません。
IoTはテクノロジーではなく、ビジネス・プロセスを変革する取り組みである
まず、IoTは単独のテクノロジーではないということです。例えば、
·        現実世界のアナログな出来事をデジタル・データとして読み取るセンサー
·        低消費電力で広域な通信(LPWAネットワーク)
·        膨大なデバイスを認証しログを管理する認証・デバイス管理基盤
·        多様な形式のビッグデータを維持管理するデータベース
·        それらを解析し価値ある規則性や関係性を見つけ出す機械学習など
多様なテクノロジーの組合せによって顧客の課題を解決する「ソリューション」です。
「ソリューション」とは解決すべき課題が前提です。そして、その課題に対してどのような解決策を導くかにより、必要とされるテクノロジーの組合せが変わります。
これがビジネス・プロセスの変革に貢献すること。例えば、コマツの「スマート・コンストラクション」は、土木工事の自動化を目指す取り組みですが、それには次のような背景がりました。
建設需要が増えているにもかかわらず・・・
·        高齢化によりベテランの職人が確保できない
·        経験の浅い人材を集めても経験がないので即戦力化できない
·        若い人が3K仕事の土木工事を嫌って集まらない
これらの課題を解決しなければ事業が継続できないという危機感から端を発しています。もはや人手に頼った土木工事ではこの課題を解決できません。ならば、テクノロジーを使い人間がいないことを前提にビジネス・プロセスを変革しようと取り組んだのです。そして、それを実現するために自分たちの経験や実績にとらわれることなく、センサーや自動制御などの新しいテクノロジーにも目を向け、最善の手立てを組み合わせた結果としてできあがったサービスが「スマート・コンストラクション」です。
この取り組みの責任者に話しを聞いたことがありますが、「IoTビジネス」をやりたかったわけではないそうです。結果として、「IoTビジネス」になっただけだと話していました。
目の前の課題に真摯に向き合い、その課題を解決するために最善の手立てを「いま」のテクノロジーに求めました。そして、既存のやり方にこだわらずビジネス・プロセスを変革しました。「IoT」というソリューションはそのための有効な手立てとなったわけです。
もちろん、こういう「課題」への切迫感はユーザーにしか分かりません。だからこそ、IT事業者やSI事業者は、ユーザーに寄り添い、ITの専門家の立場から一緒になって課題解決に取り組まなくてはならなりません。「共創」とはそういう取り組みを言うのでしょう。そのとき、ユーザーから求められたテクノロジーを提供するだけではなく、新しいテクノロジーを前提にビジネス・プロセスの「あるべき姿」を示し、既存のビジネス・プロセスの変革を共に考え促すことも大切な役割となります。
いつの時代も最適解は新しいのです。1年前の最適解は、いまは最適解ではないかもしれません。そして、その変化を生みだすテクノロジーの進化は、これまでに無く加速しています。そういう、新しい常識を常に懐に携えて、ユーザーのビジネス・プロセスの変革に貢献することが、結果として「IoTビジネス」になるのです。
IoTビジネスをする」とは、「テクノロジー提供者あるいはその組合せのプラットフォームを提供するビジネスをすること」か、「テクノロジーを懐に携えてユーザーのビジネス・プロセスの変革に貢献すること」かのいずれかです。
IoTに関連したインフラを構築する、システムを開発する、運用管理や保守作業を請け負うといったビジネスは、既存のビジネスが抱える自動化や自律化、クラウド化などによる工数の減少や単金の低下といった課題をそのまま引き継ぐことになり、需要はあっても利益の出ないビジネスであることに変わりはありません。「IoTビジネス」でこの現実を変えたいというのであれば、自分たちが提供するビジネス価値を変えてゆくことを覚悟すべきです。
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今月2月より、新期となりました。
事業部としては、5期目にはいります。
前期はお陰様で増収増益を達成でき、社内においても成長事業と認識されるようになってきました。
着実にお客様も増え、責任の重さを益々実感する期となりました。
今期においても、すでに多くの受注案件をいただき更なるチャレンジをさせていただきます。
より多くの、提案をできるように精進してまいります。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
KenKumagai