2015年10月31日土曜日

めざす営業の姿を考える・・・

「御社のMFP(多機能プリンター)と競合他社のものと、どう違うのでしょう。
何処が他社に比べ優れているのでしょうか? 」 

技術の進化は、技術を見えなくする進化でもあります。iPadiPhoneを使えばわかることですが、技術を知らなくても直感的に使いこなすことができます。まさに技術の進化のひとつのカタチです。

技術者は、高機能で簡単に安価に使えるものを目指して、日夜苦労して開発をしています。そんな各社の取り組みは製品を益々進化させ、いずれは各社横並びに高い完成度を達成します。結果として、どの製品もユーザーの多くが求める以上の機能・性能となり、差別化の対象はユーザーにとっては「そこはどちらでもいい」ところになってしまい、差別化できない状況を生み出してしまいます。MFPはまさにそんなケースの代表的なものです。

また、HPLenovoDELLと富士通とNECPCサーバーは何が違うのでしょうか。各社各様に様々な工夫もありますが、突き詰めてゆけば、全てIntelXeonであり、OSWindowsLinuxです。もはや明確な差別化は困難です。
                     
自社の独自のサービスであったとしても、類似のものは世の中にたくさんあります。ここは凄いと言えるところが仮にあったとしても、各社それぞれに「ここが凄いんですよ」と主張するでしょう。しかし、お客様から見れば、一長一短です。
IT製品やサービスのコモディティ化は、急速で一時の優位もすぐに消え失せてしまいます。このような業界では、もはや製品やサービスだけで競争優位を維持することなどできません。
 
ではどのようにして、営業は競争を制することができるのでしょう。
その答えは、「競合を作らないこと」です。

自社製品の機能や性能について、詳しく知っていることは大切なことですが、それしか説明できないとすれば、お客様もまた他社に同様の説明を求めて、それを比較し判断されるでしょう。しかし、先ほども説明の通り、機能・性能から、絶対的な競争優位を見出すことは難しく、結局は価格や納期などの競争に陥ってしまいます。
                       
お客様は何を求めているのでしょうか。私達はこの最も基本的な疑問に立ち返る必要があります。

お客様は・・・
決して製品やサービスを購入したいわけではないのです。自分の抱えている課題を解決したいのです。また、世の中がどうなっているのか、自分たちは正しい方向に向かっているのかを知りたいのです。そして、自分たちの選択が妥当であることに確信を持ちたいのです。そんな期待に応えてほしい。

また営業に、よき相談相手であることを期待しています。自社製品のことだけではなく、どうすればお客様の課題を解決することができるか、その物語を伝える。客観的な目線から、自社の製品の得意不得意を伝えてほしい。

営業の仕事の目的は、お客様の課題を解決することであり、自社製品はその手段であるとを自覚しなくてはなりません。

目指すは『相談し御願いする営業から、相談され御願いされる営業になること。』でしょうか。

                                 Kumagai

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